MENU
SNS
I LOVE 下北沢
I LOVE 古着
少し肌寒いくらいの秋風がカレーフェスで火照った下北沢を徐々に冷まし始めた11月のある日、2015年下北沢カレーフェスティバルにおいて、ミスカレーに輝いたみどりさん、通称みーちゃんは下北沢南口改札前、寒空の下で待っていました。
目指す先は、下北沢でカレーを提供し続けて20年以上経つ老舗、茄子おやじです。
ミスカレーとは果たしてどのような女性なのだろうか、カレーフェス参加者10万人が感じていた疑問への回答を求めて、私たちは茄子おやじへと足を進めるのでした。
店内に溢れる小物ひとつひとつが心を躍らせます。
ひとしきり店内を見回した後、席に案内されました。
メニューをじっくりを見つめ、どれも美味しそうだなぁと悩みながら、みーちゃんはふと口を開きました。
「私、去年からミスカレーになりたかったんですよね。ほんとうになりたくて仕方がなくて、友だちにもずっと言い続けてたんですよ!
…あと、キノコカレーゆでたまごトッピングでお願いします。」
カレーフェスの存在を知ったのは、昨年の第3回下北沢カレーフェスティバルであったそうです。
上京したての頃から下北沢に通っていて、しかも元からカレーと〇〇フェスに目のなかった彼女にとって、下北沢カレーフェスティバルの存在はみーちゃんにとって僥倖でした。
2014年当時は大変多忙でしたが、合間を縫って下北沢に立ち寄り、カレーを食べていたといいます。
時にはお店で食べる時間がなく、テイクアウトして家で食べたこともあったそうです。
そうして自宅でカレーを食べている時に目にしたのが、カレーマップに載っているミスカレーコンテスト実施中のお知らせでした。
おもしろそうなことに目のないみーちゃんは、その場で携帯電話を取り出し、目の前のカレーをスプーンですくって投稿用の写真を撮りました。ミスカレーへの一歩を踏み出した瞬間でした。
さて、そうこうしているうちにカレーが届きました。
普段はエスニック風のカレーを食べることが多く、こういう機会でもないとなかなか家庭風カレーをお店で食べる機会もないとのことで、こっちまでほっこりしてしまいそうな幸せそうな表情で食べ始めました。
撮影の間、食べてる姿の写真なんてあまり撮られないから緊張してしまいますと言っておりましたが、昨年のエントリー画像は思いっきり食べてる最中ではないのか、というコメントは腹の中に収めました。
閑話休題。昨年のカレーフェスの話に戻りましょう。
意気揚々とミスカレーにエントリーしたみーちゃんでしたが、残念ながら念願叶わず、一昨年度も下北沢ミスカレーに輝いたみゆきさんが2年連続で称号をつかむこととなりました。
余談ですが、昨年ミスカレーのみゆきさんとは共通の友人がいることが、後になって判明し、ミスカレーとのまさかの縁に驚かされたといいます。
気軽にエントリーしたはずなのに思ったよりも落ち込んでしまい、さらにはそもそも多忙でカレーフェスを満喫しきれなかった悔しさの二つの感情が相まって、誰も知らないもう一のカレーフェスを生み出しました。
それが、3週間に渡ってカレー以外の食べ物を口にしないという、
毎日カレーフェス in 私
でした。
下北沢のお店で食べることもあれば、自宅で普通のカレー、トマトカレー、グリーンカレーのローテーションを組むこともあったそうです。
下北沢には10日間で70食のカレーを食べたり、24時間で20食のカレーを食べたりする猛者達がひしめいていますが、彼らに引けをとらないカレー愛を感じました。
話がカレーフェスの話から広がって、下北沢の話に移りつつあった頃に、本日のカレーを食べ終わりました。
いつの間にか髪を結って本気モードに入っていたようです。
髪をほどいてテーブルの上には食後の空気が流れましたが、ミスカレーのカレー愛はここでは終わりませんでした。
「ちょっと、もらってもいいですか?」
…
…
…
みーちゃんが下北沢に訪れるようになったのは、宮城から進学のために上京してきた頃のことでした。
決っして田舎ではないけども、渋谷や六本木のような「都会」とは少し違って、華美な格好をせずとも気軽に来れるところが気に入って、頻繁に訪れるようになりました。
また、学校の友人達が多く住んでいたところもあり、みんなで集まるところといえば下北沢でした。
その集まりは、卒業して住むところが変わってしまった今でも続いています。
人と街のおりなすあたたかさに、遠く離れた故郷の姿が重なってみえるのです。
さて、カレーのスパイスでほどぼよく体が温まり、寒空の下に舞い戻ることがやぶさかではなくなり、取材もいよいよ終わりを迎えようとしていました。
最後の質問は、カレーマイスターたちに必ず聞く質問した。
それは、最も好きなカレーは何か、というものです。
オススメのカレーではなく、個人として最も好きなカレーを選ぶ、それは幾多のカレーを食べてきたカレーマイスターたちにとって最も返答に困る質問のうちのひとつであることでしょう。
少し悩んで、みーちゃんは答えました。
「グリーンカレーとかバターチキンカレーをよく食べますね!
でも、やっぱり家で食べるカレーがいちばんすきかなぁ。」
そんなカレー愛の原点を持ちつつ、未知なるカレーへの興味は尽きません。
カレーフェス期間中はカレー専門店に行こうとしてもすごく並んでいることが多く、カレー屋さん限定カレーはなくなく諦め、カレー専門ではないお店でカレーを食べることが多くありました。
今回の舞台となった茄子おやじも、行きたいと思っても期間中はなかなか来れなかったお店のひとつであったということで、選んだものでした。
ミスカレーとなったこれからはそういうお店を巡って、通って、常連と呼ばれるようになって、名前を覚えてもらうことが目標だそうです。
帰り際、何か言い残したことはあるか尋ねたところ、
「もっとたくさんのイベントに参加したり、できたら企画もしてみたいですね!あと、やっぱりカレー、大好きです。」
はにかみながらそう言って、茄子おやじを後にしていきました。
下北沢は1年中カレーが食べられる街。今日もまたどこかでみーちゃんが”毎日カレーフェス in 私”をしているのかもしれません。
ミスカレープロフィール
みどり(愛称: みーちゃん)。宮城県石巻市出身。2014年カレーフェスからミスカレーの称号を目指して精進し続けてきた。好きなカレーはたくさんあるけど、いちばん好きなのは家のカレー。マイブームは「毎日カレーフェス in 私」。
茄子おやじプロフィール
下北沢に店でカレーを提供し続けて20年以上を誇る老舗。
営業時間: 12:00~21:00
定休日: 不定休
I love 下北沢URL:
ライター&カメラマンプロフィール
やのぴょねす、通称”ぴょねす”だが、実はぴょねすは友人のHNからパクった名前。写真サークル”トケイダイ。”で写真を撮りながら小説を書いたりしている。
12/31のコミックマーケット89で美少女×廃墟写真集を出す予定。
トケイダイ。
カレーフェスが終わっても毎日カレーフェス開催中のお店一覧はこちら。
みなさまも下北沢で毎日カレーフェスはいかがでしょうか。
この記事が気に入ったら
フォローしてね!