サブカル男子に 「恋人未満の女の子と年末シモキタデートするなら?」と尋ねたら短編小説で返信が来た


北風がますます冷え込む年の瀬、いかがお過ごしでしょうか?
色づいた葉っぱたちがきれいさっぱり散ってしまったけれど、
街路樹に巻きつくイルミネーションは眩しすぎる……。
なんとなく誰かと会いたいような、人恋しい季節に打ちひしがれている皆さんへ!

 

本日、I LOVE下北沢が皆さんの凍りつくハートをゆっくり溶かすべく
「年末シモキタデートのススメ」を特集してまいります!

 

さて、みなさんの大切なデートに口出しするからには、綿密な事前リサーチが必要不可欠。さっそく私は、友人のサブカル男子に、相談してみました。

 

私「友達以上恋人未満の女の子と、年末に下北沢でデートするならどうする(^0^)?記事書くからネタください。」

 

すると即座に返信が。

 

サブカル男子「その字面だけで元気が出たよ。ちょっと考えさせて」

 

おお!なんだか意味深です。
さすが、古着屋さんの窓ぎわにかけてある級のめちゃくちゃ派手なセーターをさらりと着こなすサブカル男子。
返信を待ちますこと、約4時間半。
授業の合間にでも書いてくれたのでしょう、返信がきました!
なになに……。……!?

 

(返信がきたときの画面。
画質を落としています。)

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(以下略)

 

なんと返信で短編小説を書き下ろしてくれました。

どういうことなの……。
こんなLINEみたことない……。

 

そう、私がサブカル男子の一言で片付けていた彼は、実は文学青年でもあったのでした。
この記事では、私が練りに練った下北沢デートプランを意気揚々とお披露目する予定でしたがここで大きく方向転換をして、サブカル男子がお送りする短編シモキタラブストーリーをお届けすることにいたします!

どうぞ最後までお付き合いください。201412-17-86-d0223986_12582155ふたりは、なんの用もないのにとりあえず、北口からおりる。
用もないのにニューヨークジョーにいく。男の子はぼろぼろのカーディガンを試着する。
ニルヴァーナのカートが着てそうな緑色のカーディガンを。
なぜか女の子がそれを買うことになる。d0223986_16401848その後は、やっぱりドラマにはいって聞きもなしないCDやレコードを触る。
男の子は聴いたこともないセロニアス・モンクについて、うんちくをたれる。
そのうんちくのソースは村上春樹の最新刊。
このときの、セロニアス・モンクはあのピアニストと仲が悪かったとかそういう話。
そうやって、一通りレコードをさわって、一通りうんちくをたれる。
女の子はそれにてきとうに相槌をうちながら、黙々とディランのブートレグをさがす。
女の子も実は、ディランのことはよく分かっていない。血の轍も聴いたことがない。201412-17-86-d0223986_12593947その後は、アンティークショップJinなどの雑貨屋などにはいる。
男の子は小さい丸机を買おうかと思うけど、デート中だから買わない。
女の子は革の小さなかばんをかう。
色褪せて、もはや何色かわからないような革のかばんを。
かばんの中には、女の子が生まれる前に印刷された水道料金のお知らせがはいっている。d0223986_12591697北口を一通り歩いたら、やはり農民カフェにはいる。
当然のように、奥にある中庭の席にすわる。冬なのに。
まだ夕方にもなっていないから、あまり食べないし、あまり飲まない。
農民カフェでは、成城石井で300円で買える缶ビール、
インドの青鬼が800円もする。
だからこそ、男の子はそれを注文する。
かなり苦いけど、我慢して通ぶる。サブカルだから。
おつまみは、にんじんのきんぴら。
男の子はきんぴらが好きだ。
女の子はきんぴらをさかなに、有機トマトのレッドアイを飲む。
一杯も飲み終わらないうちに暗くなってきて、中庭はかなり冷えてくる。
冬だから。d0223986_16361519店を出たら、右手にまっすぐあるく。
スズナリや北沢タウンホールのところで右に曲がる。
スズナリの近くにあったはずの藤井コーヒーという画廊が見当たらない。
あの画廊やそこにいた人たちはどこにいってしまったんだろうと男の子は思う。
男の子はそこにいた熊みたいな漫画家が好きだった。
そんなことを考えているうちに、ディスクユニオンが見えてくるけど、もちろん入らない。
もうすこし歩いて、昭和信用金庫のあたりで、また右に曲がる。
やっと南口エリアにはいる。
本当は南口のほうが面白い店が多いのだけれど、疲れているからあんまり入らない。
それでもヴィレヴァンにははいる。
女の子がへんな猫の写真集を買う。

 

それ持っているよね?
持ってないよ

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**

その後もすこし南口を散策するけど、やっぱりもう疲れてるから、店には入らない。
スティックアウトにも入らない。
王将あたりまで歩いてから、駅前に引き返すことになる。
とぼとぼと伊奈ビルまで歩いて、二階のおんがく食堂にいく。
本当は、座敷がよかったのだけれど座れない。
バンドサークルが忘年会で座敷を占拠しているみたいだ。
やたらとビートルズを口ずさんでいる少年がいてうるさい。
でも、男の子も女の子もビートルズが好きだから、嫌な気持ちにはならない。d0223986_16363185入り口ちかくにすわった、男の子と女の子はおんがく宴会コースを注文する。
予約なしでコースを注文できるのが、音楽食堂のいいところ。鶏肉の塩こうじ鍋が本当においしい。
男の子と女の子は、鍋なのに、カクテルばかり飲む。
カルーアミルクやファジーネーブルがおいしい。
男の子も女の子もつよくないから、焼酎もワインも飲まない。
ふたりは、結局買わなかったもの、買ったもの、入らなかった店、入った店について話す。
男の子は結局ほとんど何も買わなかったけど、たくさん歩いたから満足している。
女の子はたくさん歩かされたことを不満に思っているけど、いろいろ買えたから、それなりに満足している。
ふたりは遅くならないうちに、店を出る。
別に恋人同士というわけでもないから、いつもは二人ともそのまま帰宅する。

でも、今日はどちらから言い出すこともなく、ふたりは小田急にのって多摩川に行く。

***

d0223986_130417対岸では、なぜかウィングスのバンドオンザランをうたう人たちがいる。
さっきのやつらだ、と男の子は思う。
女の子は石を川になげつづける。
男の子は対岸のひとたちをじっと見つづける。
対岸のひとたちがひと通り、4曲ぐらいしかない、みんなが歌えるようなウィングスの曲を歌い終わったあと、男の子は終電を気にし始める。

****

ふたりは朝まで川を見ていたいと思ったけれど、結局のところ23時台の小田急で新宿に帰ることになる。
地下に潜った小田急からは、下北沢の街はみえない。
男の子は今日歩いた道のりを頭の中で思い浮かべるけど、うまくいかなかった。
どうしてだろう。

 

(fin)

 

……いかがでしたでしょうか。

 

軽い気持ちで尋ねたつもりが、渾身の短編小説で返ってきたハートフルすぎるシモキタデートプラン。
こうして世界に発信することができ、サブカル男子の友人としては誇らしい気持ちでいっぱいです。

 

皆さんの大切な人とのひとときに、この特集が少しでもお役に立てることを、
そして、年の瀬の下北沢のそこかしこで、小説みたいにすてきなエピソードが爆誕することを願っております!!

 

世間のサブカル男子にも、幸あれ!

 

スペシャルサンクス:サブカル男子